相続放棄の申述のしかた(家庭裁判所・3ヶ月・申述書・800円・照会書)
相続放棄は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申述書と戸籍を出す。知った日から3ヶ月以内、収入印紙800円。預貯金に手を付けると放棄できなくなる。
2026-09-09に確認した内容です。金融機関の運用は各社で異なります。個別の法律・税務に関する助言ではありません。
結論
相続放棄は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申述書と戸籍を提出して行います。期限は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内(民法915条)。費用は申述人1人につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手(裁判所ごとに異なる)。郵送可、受理まで1ヶ月程度が目安です。放棄すると初めから相続人でなかった扱いになり、プラスの財産も受け取れず、撤回できません。放棄を考えるなら、預貯金の引き出し・解約や遺品の処分をしないでください。
手順
- 期限を確認する。知った日から3ヶ月。間に合わなそうなら、先に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を同じ家庭裁判所に申し立てる(収入印紙800円)。
- 裁判所サイトの申述書(成人用/未成年用)と記載例に沿って記入する。相続の開始を知った日と放棄の理由は選択式。押印は認め印でよい。
- 続柄に応じた戸籍と被相続人の住民票除票(または戸籍附票)を集める。兄弟姉妹の申述は被相続人の出生から死亡までの戸籍と両親の死亡戸籍が要り、通数が多い。
- 申述書・戸籍・収入印紙800円・郵便切手を、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ提出する(郵送可。期限は必着扱いの裁判所がある)。
- 家庭裁判所から「照会書」が届いたら、期限内に自分で回答して返送する。放置すると却下される。
- 「受理通知書」が届いたら完了。債権者に示すときは「受理証明書」を申請する(1通150円の収入印紙)。通知書は再発行されない。
- 放棄したことを次順位の相続人(親、兄弟姉妹)に伝える。裁判所からの通知はない。
必要なもの
- 相続放棄の申述書(裁判所の様式。2枚)
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 申述人の戸籍謄本
- 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本(配偶者・子)。父母・兄弟姉妹は被相続人の出生から死亡までの戸籍ほか(裁判所サイトの一覧を参照)
- 収入印紙800円(申述人1人につき)と連絡用郵便切手(裁判所により330〜470円程度)
- 窓口持参の場合は認め印と本人確認書類
つまずきやすい点
- 預貯金に手を付けると放棄できなくなる。引き出して生活費に使う、解約して分ける、車の名義変更、遺品の売却は「相続財産の処分」(民法921条)で単純承認になる。葬儀費用の支払いは処分に当たらないとされることが多いが、領収書を必ず残す。迷う支出は先に司法書士・弁護士へ。
- 自分の住所地の家庭裁判所に出してしまう。提出先は被相続人の最後の住所地。
- 先順位の相続人全員の放棄が受理されるまで、後順位は申述できない。子と兄弟姉妹の同時申述は不可。
- 兄弟姉妹の戸籍は広域交付が使えず、郵送請求で1〜2ヶ月かかることがある。期限が迫るときは申述書と揃った分だけ先に出し、戸籍を後から追加できる運用の裁判所がある(仙台家裁など。要確認)。
- 放棄しても、実家に住んでいるなど「現に占有」している財産は、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで保存義務が残る(民法940条)。
よくある質問
借金だけ放棄して実家は残せる?
できません。放棄は全部か、なしかです。財産の範囲で借金を引き継ぐ「限定承認」は相続人全員が共同で行う必要があり、ほとんど使われていません(2025年は全国637件)。
3ヶ月を過ぎてから督促状で借金を知った。
財産がないと信じたことに相当な理由がある場合は、借金を知った時から3ヶ月と扱われることがあります。督促状と封筒を保管し、弁護士・司法書士へ相談してください。個別の事情によります。
自分でできる? 頼むといくら?
裁判所が様式と記載例を公開しており、自分でできます。実費は3,000円程度。司法書士に頼むと全国平均約4万円(日本司法書士会連合会2024年調査)、弁護士は5〜10万円程度が目安です。期限超過・財産に手を付けた・債権者から請求済みの場合は弁護士へ。
出典
他のガイド
運営:Plangers Inc.
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